2019年3月2日土曜日

公開シンポ「霞ヶ浦流域研究2019」が大盛況!

昨年10月につくばで第17回世界湖沼会議が開催され、湖沼やその流域の環境保全の大切さが広く認識されたところです。こうした機運が地域で根付きつつあるなかで、霞ヶ浦流域において地道に研究や環境保全活動を続けてきた学生・生徒、市民、研究者が、最新の成果を報告し、交流しあうシンポジウム「霞ヶ浦流域研究2019」が、32日(土)に北浦湖畔のレイクエコーで開催されました。口頭発表15件、ポスター発表12件が行われ、学生・生徒、市民、行政関係者、研究者など98人が来場しました。

発表内容は、霞ヶ浦流域の生きもの、水産、水環境から大気まで、じつにさまざまでしたが、そこがこのシンポならではのユニークなところ。例えば、霞ヶ浦や流入河川、近隣湖沼での魚類群集、絶滅危惧種のキンブナやホトケドジョウの生態、特定外来生物チャネルキャットフィッシュの被害実態についての話題。コイ由来の乳酸菌を用いた新しい養殖技術やニホンウナギのCPUEの長期変動、ごた煮干しなどの水産業に関わる話題。霞ヶ浦の湖底地形、流動解析、農業・畜産由来の大気アンモニア、気候変動と水質との関係、底生生物(ユスリカ類)の長期変遷の話題、真菌胞子の大気輸送過程の解析。さらには、霞ヶ浦流域ではないのですが、福島県の帰還困難区域での放射線物質の挙動や生物への移行経路などのホットな話題まで。

ポスターセッションでは、鉾田第二高校・茨城高校・清真学園高校・越谷北高校の生徒たちや大正大・大同大・茨城大の学生たちを中心に、水生生物の興味深い生態、水質や環境計測の技術についての話題で、会場が盛り上がりました。生徒・学生たちの発表に、プロの研究者も聞き入りました。なお、当日の様子は、茨城新聞さんにも取り上げていただけました。

シンポジウムで発表してくださったみなさま、協力してくださった関係機関のみなさま、どうもありがとうございました。今後もこのシンポジウムを、霞ヶ浦流域の教育機関・研究機関と連携しながら、年1回行っていく予定です。こうした機会を通して、地域のみなさまと一緒に霞ヶ浦流域をはじめ、地域の環境問題のいまとこれからについて考えていきます。

大学生が発表中:絶滅危惧種キンブナの生活史

高校生のポスター発表:生きものの興味深い生態に大学生・研究者が聞き入る

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