2018年5月22日火曜日

ラムサール条約登録湿地「涸沼」での講演会

5月22日(火)に、水圏センターの教員と卒業生が、クリーンアップひぬまネットワーク主催の講演会で、「涸沼の魚たちの今昔」と題した講演を行いました。主な話題は、標本記録に基づく1960年代の魚類相やその後の変遷、貴重な涸沼ニシンのこと、そして、絶滅危惧種や水産有用種を含む魚類の生息状況からみたラムサール湿地涸沼の保全価値などでした。

会場からは、水質と魚類との関係、近年の外来種の生息状況、地域ならではの魚介類の利用方法など、さまざまなコメントやご質問をいただきました。ご来場のみなさま、事務局のみなさま、どうもありがとうございました。

涸沼の魚たちの今について講演中

2018年3月30日金曜日

慶応義塾普通部の生徒さんの臨湖研修

3月30日に慶應義塾普通部の先生と生徒さんが、北浦での魚類調査体験のためにいらっしゃいました。生徒さんたちは、午前中に、外来魚チャネルキャットフィッシュの釣獲調査、投網やタモ網での採集調査を体験してくれました。すぐに投網も上達し、シラウオなどを上手に捕獲していました。午後は、センター内の施設見学でした。もう少し水が温かくなると、さまざまな生きものが見られるようになります。ぜひ、またいらしてください。
投網で魚類を採集しているところ

2018年3月4日日曜日

公開シンポ「霞ヶ浦流域研究2018」


 今年10月のつくばでの第17回世界湖沼会議を見据え、霞ヶ浦流域で研究や環境保全活動をしている研究者や学生・生徒、市民が、最新の成果を報告し、交流しあうシンポジウム「霞ヶ浦流域研究2018」を、34日(日)に北浦湖畔のレイクエコーで開催しました。一般市民や学生・生徒、行政関係者、研究者など115人が来場しました。

今回の発表者のうち、茨城大大学院生の大森健策さんは、北浦に流入する全23河川で魚類の生息状況を調査し、北浦本湖からは姿を消した在来タナゴ類やヤツメウナギ類などの絶滅危惧種が、河川内に細々と生息している実態を紹介しました。一方で、同大学院生の平山拓弥さんは、これらの河川にも外来種チャネルキャットフィッシュ(別名アメリカナマズ)が多数侵入し、在来の魚類やエビ類を捕食している危機的な事態を説明しました。さらに、土浦の自然を守る会の萩原富司さんは、霞ヶ浦で中国原産の外来魚ダントウボウが新たに見つかったことを報告しました。このような外来魚の影響は深刻で、対策についても意見が交わされました。

   この他にも、霞ヶ浦の水質や水の流れ、堆積物、漁業資源のほか、福島第一原子力発電所周辺での調査結果、鉾田第二高校や清真学園高校など地域の高校生による取り組みも含め、口頭発表16件とポスター発表12件が行われ、活発な意見交換もありました。私たちのセンターでは、今後もこのシンポジウムを年1回行っていく予定です。こうした機会を通して、地域のみなさんと一緒に霞ヶ浦や潮来の自然のいまとこれからについて考えていきます。

大学生による口頭発表

地元高校生も参加したポスター発表

2017年9月30日土曜日

夏の臨湖実習2017―環境DNA実習!




今年の夏も,茨城大学広域水圏センターでは霞ヶ浦に関する5つの実習を実施しました.これらの実習には全国各地の20の大学と高等専門学校から広域水圏センターに学生が集まり,熱気に満ちたとても熱い実習となりました.今回は,「霞ヶ浦の生物多様性に関する実習」の中で扱った「世界最先端の魚類調査法」について紹介します.

突然ですが,霞ヶ浦に生息する魚の種類を知るにはどのような方法があるでしょうか.すぐ思いつくのは,釣りやタモ網・投網などを使って魚を捕って種類を調べる方法です.ところが最近,自分の手で魚を採らずに調べる方法が開発されました.霞ヶ浦の水(コップ一杯分)を実験室に持ち帰って分析するだけで,その場にどんな魚がいるのかが分かるとても画期的な方法です.この方法は環境DNA分析法と呼ばれています.ごく簡単に説明すると,霞ヶ浦の水の中には様々な生物から糞などとともに体外に排出されたDNAが漂っていて,この環境水のDNAを分析することで,その場に生息している生物を知ることができます.現在,この方法は日本の研究者グループが世界に先駆けて研究を進めています.

この分野の専門家である龍谷大山中先生にも全面的に協力していただき,この環境DNA分析を取り入れた実習を行いました.興味深い実習の成果も得られました.協力してくださった先生,参加してくれた学生のみなさま,どうもありがとうございました.



湖岸での採水:本当にこの水で霞ヶ浦の魚のことが分かるのか?

2017年8月20日日曜日

追跡!巨大ナマズ―湖沼の外来生物問題の最前線―



夏休み期間中、私たちの施設では、全国の大学生が霞ヶ浦・北浦で水質や地質、プランクトン、底生動物、魚類などの調査を行い、湖沼の環境問題について学ぶ5つの公開臨湖実習を提供しています。8月18~20日の公開臨湖実習2「追跡!巨大ナマズ ―湖沼の外来生物問題の最前線―」には、北海道大、酪農学園大、東洋大、筑波大、奈良女子大、東京海洋大、東京理科大、鳥取大、富山大、放送大、東京農業大、東京農工大、日本大の18名が参加しました。

この実習では、北アメリカ原産の外来ナマズ(チャネルキャットフィッシュ)を材料に、釣りや様々な漁具による捕獲調査、室内でのサンプル分析、グループディスカッションを経て、外来ナマズが生態系や水産業に与える影響とその対策を学びます。二つの班に分かれて考案した駆除方法を試して、班別対抗で駆除数も競い合いました。悪天候で風波が強かったのですが、キャットフィッシュが192尾も捕獲され、大いに盛り上がりました。

参加学生からは、「外来ナマズが多いだけでなく、霞ヶ浦・北浦の生物多様性の高さや豊かな自然にも驚かされた」、「地道な駆除も大事だが、まず、外来ナマズ問題を一般の人たちに知ってもらうことが大切」、「地域の特産品を賞品にして、駆除釣り大会や魚類観察会を開催し、地域を盛り立てるというのはどうか」など、様々な感想がありました。
まずは湖岸で釣獲調査

捕獲されたチャネルキャットフィッシュ

実習参加者で記念撮影