2018年8月27日月曜日

近畿大・滋賀県立大・茨城大の学生たちの淡水魚調査・外来魚研修

 8月25日~27日に、近畿大・滋賀県立大・茨城大で外来魚対策や希少淡水魚の生息地保全などの活動をしている学生たち20名が合同で、霞ヶ浦・北浦での外来魚駆除釣り、淡水魚調査、室内実習、意見交換会などを行いました。

 35℃を超える猛暑のなかで、魚採りにあけくれる学生たち。北浦ではウキゴリ、ヌマチチブ、ジュズカケハゼ、アシシロハゼ、モクズガニ、クルメサヨリ、ワカサギ、マルタ、モツゴ、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュ、ニゴイ、タイリクバラタナゴ、オオタナゴ、ハクレン、スジエビ、テナガエビなどが確認されたようです。また、近くの河川ではチョウセンブナなど、関西ではあまり見られない魚も採集されたようです。

 普段から、全国各地で魚類調査をしている屈強な学生たちが集まり、一緒にフィールドワークをするなかで、さまざまな新しいアイデアも出てきた模様。今回の活動は、別の機会に発表するということですので、こうご期待です。

 ぜひ、北浦にも、またいらしてください。

 

チャネルキャットフィッシュの勉強会
みなで採集中
チョウセンブナ

採れた魚を見ているところ
採集された魚の一部(右はクルメサヨリ)
集合写真

2018年8月24日金曜日

公開臨湖実習1湖沼環境問題の最前線~霞ヶ浦での調査・実験から理解する~

 8月20日~24日の5日間、全国の学生を対象にした公開臨湖実習1「湖沼環境問題の最前線~霞ヶ浦での調査・実験から理解する~」が、水圏センターで行われました。

 巨大ナマズ(=外来魚チャネルキャットフィッシュ)や最新の湖沼環境問題などに興味のある、8大学(酪農学園大、山梨大、長崎大、東洋大、東京海洋大、茨城大)の学生(学部1~4年生)11人が参加してくださいました。終始、大盛況!でした。今回の実習メニューは次のようなものでした。

  この実習では、首都圏に位置しさまざまな湖沼環境問題に直面している霞ヶ浦を調査フィールドに、環境調査や水生生物調査を行い、湖沼の環境と生物科学の研究手法を身につけます。水質悪化や外来生物の侵入などの湖沼環境問題についても学びます。

・船上での湖沼環境調査、プランクトン・底生動物の採集
・実験室内での水質分析 ・プランクトン・底生動物の観察・同定
・魚類の各種漁具(手網、投網、定置網、地曳網)での採集と観察・同定・胃内容物解析
・特定外来生物チャネルキャットフィッシュの釣獲調査
・カワヒバリガイ(外来種)とドブガイ(在来種)を用いた濾過摂食実験
・湖周辺の地形・地質の観察
・観光バスで霞ヶ浦周遊

・茨城県水産試験場内水面支場の見学
・霞ヶ浦環境科学センターの見学
・まとめのグループディスカッション

  
 実習生には、このような多岐に渡るメニューについて個々の視点で学んでもらいました。最終日に、湖沼環境問題について、参加者が興味のあるいくつかのグループ(外来魚問題、水質改善策、水辺植物帯の保全・再生、教育活動)に分かれ、グループディスカッションをしたあとに、参加者全員で自由に意見交換をしました。

 意見交換会は大いに盛り上がり、センタースタッフ&TA学生もとても有意義な時間を過ごさせていただきました。同じような興味を持った他大学の学生たちが交流できる大変貴重な機会にもなりました。 

実習生のみなさん、5日間、本当におつかれさまでした。また、いつでもセンターにいらしてください。自由な発想で学びたいみなさんのために、水圏センターの扉はいつでも開いています。
(センタースタッフ&TA学生一同)

釣獲されたチャネルキャットフィッシュ:モノサシは約20cm
投網での採集

地曳網での仔稚魚採集

定置網での採集
採集された魚類のリスト
霞ケ浦環境科学センター見学
水産試験場内水面支場の見学
集合写真

2018年8月19日日曜日

公開実習2「追跡!巨大ナマズ ―湖沼の外来生物問題の最前線―」



水圏センター(潮来市大生)は、全国の大学生たちが湖の環境問題について総合的に学べる施設として、文部科学省に認定されている国内唯一の臨湖実験所です。夏休み中には、霞ヶ浦・北浦をフィールドに学ぶ5つの公開実習を提供しています。

8月17~19日の公開臨湖実習「追跡!巨大ナマズ ―湖沼の外来生物問題の最前線―」には、北海道大、岩手大、東北大、東洋大、帝京科学大、山梨大、近畿大、三重大の12名が参加しました。この実習の教材は、北浦にたくさん生息している、北アメリカ原産の外来ナマズ(チャネルキャットフィッシュ)です。

まず、捕獲調査や食性調査を通して外来ナマズの脅威を体感! 次いで、湖岸でさまざまな方法で魚類調査を行い、希少な魚たちやワカサギ・シラウオ・エビ類などの水産資源が、まだそれなりに生息していることを確認しました。

最後に、二つの班に分かれて考案した駆除方法を試して、班別対抗で駆除数を競い合いました。外来ナマズは多数捕獲され、対策についての議論も大いに盛り上がりました。

参加学生からは、「興味の方向性が同じ学生たちと交流できたのがとても良かった」、「北浦には絶滅危惧種を含む在来魚がまだ残っていてうらやましい」、「外来ナマズの問題を一般の人たちに知ってもらい、解決を目指すことが大切」、「市民の方々と釣り大会を開催し、地域を盛り立てていけばよいのでは」など、様々な感想がありました。

今年も、湖の環境問題や地域のことを考える良い機会となりました。参加してくださった方々、お手伝いしてくれたTAのみなさま、どうもありがとうございました。
駆除釣り体験

釣れたチャネルキャットフィッシュ

湖岸での魚類調査
湖岸での定置網
投網講習中


みなで投網を投げているところ


ハクレンの漂着個体(1.2mの大型個体)
湖岸調査で採集された魚類(メモ)

集合写真