2018年10月21日日曜日

いばらき子供大学の特別授業

いばらき子供大学 鹿行キャンパスの特別授業として、「霞ヶ浦の魚たち ー外来種と在来種の攻防戦ー」を、水圏センターで開講しました。身近な魚たちを題材に、霞ヶ浦の歴史や環境の変遷、そして、最近の外来魚と在来魚の攻防戦について、近隣5市の生徒さん20名ほどに、実習や講義を通して学んでもらいました。みなさん、大変熱心で、センタースタッフもよい刺激をいただきました。ぜひ、またいらしてください。お手伝いしてくださった白浜少年自然の家やひと・まちねっとわーくのスタッフのみなさま、ありがとうございました。
伝統食材「ゴタ煮干し」の観察に熱中!

2018年10月19日金曜日

世界湖沼会議に巨大アメリカナマズ剥製などを出展中

10月15日~19日につくば国際会議場で開催されている第17回世界湖沼会議(いばらき霞ヶ浦2018)の展示ブースに、当センターから、茨城大学の湖沼研究の歴史、1960年代と2010年代の北浦の全魚種が示された大型パネル(パネルに掲載されている魚種の変遷から環境の変化も推察できるもの)、保管されていた希少魚種の標本、84cmの巨大チャネルキャットフィッシュ(別名アメリカナマズ)の剥製などを展示しました。また、顕微鏡でユスリカ類や動物プランクトンなどの微小な生きものを観察したり、湖沼調査機器に実際に触れたりできる体験コーナーも設けました。期間中は多くの方々にご来場いただくことができました。展示ブースに来てくださったみなさま、どうもありがとうございました。


http://www.ibaraki.ac.jp/news/2018/10/160951.html

*湖沼会議終了後、これらの展示物は、当センターに展示されています。


2018年9月9日日曜日

陸水環境科学実習

9 月5日~9日の5日間、理学部3~4年生を対象とした「陸水環境科学実習」が水圏センターで行われました。この実習では、霞ヶ浦(西浦・北浦)を調査 フィールドに、陸水環境科学、とくに湖沼に関わる環境科学の基礎をじっくりと学びます。今回は、次のようなメニューでした。

<今回の実習メニュー>


1日目:
    <午前から夕方>
     バスツアー:霞ヶ浦(西浦)の自然・再生植物帯での調査
            (周辺のため池での調査も)
     特定外来生物カワヒバリガイの観察と採集
 二枚貝の濾過摂食実験の開始
<夕方~夜>
  チャネルキャットフィッシュに関する講義後に、駆除釣り大会
2日目:船上での湖沼調査、湖心部と沿岸部での環境要因調査・生物調査など
(クロロフィル量の測定、パックテスト、イオンクロマト、ユスリカ幼虫の拾い出し・同定、動物プランクトンの同定・計数など)
3日目:沿岸帯での各種漁具(手網、投網、定置網、地曳網)による魚類の採集
魚類の観察・同定のあと、胃内容物を解析し、食物網図を作成
4日目:
   <午前>
   自由選択実習(いくつかの課題の中からひとつを選択してもらう)
    1.検索表を使用した本格派ユスリカ幼虫同定実習
    2.県外他地域の環境試料や魚類の放射線物質の測定に関する研修
    3.水生昆虫調査法:プロフェッショナル編
    4.魚類調査法:プロフェッショナル編
    5.霞ヶ浦の水産業を学ぶ+食材魚の同定+地魚メニュー開発
   <午後> 
     データ整理・実習成果発表会準備、小レポート作成
5日目:まとめのディスカッションで,霞ヶ浦を取り巻く問題を真剣に議論

*今回は天候に恵まれ(猛暑日もありましたが・・・)、5日間にわたる霞ヶ浦でのさまざまな実習メニューを、すべて無事に終えられました。自由選択実習は初の試みでしたが、興味がある内容をより深く学べる点で、好評でした。TA&教員もひと安心です。実習生のみなさん、本当におつかれさまでした。また、いつでもいらしてください。(TA&教員一同)

地曳網調査
チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)の稚魚
ホトケドジョウ(流入河川で採集)
アカハライモリ (流入河川で採集)
投網教室
実習生が投網で採集した大物
流入河川で実習中
おつかれさま会

集合写真



2018年8月27日月曜日

近畿大・滋賀県立大・茨城大の学生たちの淡水魚調査・外来魚研修

 8月25日~27日に、近畿大・滋賀県立大・茨城大で外来魚対策や希少淡水魚の生息地保全などの活動をしている学生たち20名が合同で、霞ヶ浦・北浦での外来魚駆除釣り、淡水魚調査、室内実習、意見交換会などを行いました。

 35℃を超える猛暑のなかで、魚採りにあけくれる学生たち。北浦ではウキゴリ、ヌマチチブ、ジュズカケハゼ、アシシロハゼ、モクズガニ、クルメサヨリ、ワカサギ、マルタ、モツゴ、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュ、ニゴイ、タイリクバラタナゴ、オオタナゴ、ハクレン、スジエビ、テナガエビなどが確認されたようです。また、近くの河川ではチョウセンブナなど、関西ではあまり見られない魚も採集されたようです。

 普段から、全国各地で魚類調査をしている屈強な学生たちが集まり、一緒にフィールドワークをするなかで、さまざまな新しいアイデアも出てきた模様。今回の活動は、別の機会に発表するということですので、こうご期待です。

 ぜひ、北浦にも、またいらしてください。

 

チャネルキャットフィッシュの勉強会
みなで採集中
チョウセンブナ

採れた魚を見ているところ
採集された魚の一部(右はクルメサヨリ)
集合写真

2018年8月24日金曜日

公開臨湖実習1湖沼環境問題の最前線~霞ヶ浦での調査・実験から理解する~

 8月20日~24日の5日間、全国の学生を対象にした公開臨湖実習1「湖沼環境問題の最前線~霞ヶ浦での調査・実験から理解する~」が、水圏センターで行われました。

 巨大ナマズ(=外来魚チャネルキャットフィッシュ)や最新の湖沼環境問題などに興味のある、8大学(酪農学園大、山梨大、長崎大、東洋大、東京海洋大、茨城大)の学生(学部1~4年生)11人が参加してくださいました。終始、大盛況!でした。今回の実習メニューは次のようなものでした。

  この実習では、首都圏に位置しさまざまな湖沼環境問題に直面している霞ヶ浦を調査フィールドに、環境調査や水生生物調査を行い、湖沼の環境と生物科学の研究手法を身につけます。水質悪化や外来生物の侵入などの湖沼環境問題についても学びます。

・船上での湖沼環境調査、プランクトン・底生動物の採集
・実験室内での水質分析 ・プランクトン・底生動物の観察・同定
・魚類の各種漁具(手網、投網、定置網、地曳網)での採集と観察・同定・胃内容物解析
・特定外来生物チャネルキャットフィッシュの釣獲調査
・カワヒバリガイ(外来種)とドブガイ(在来種)を用いた濾過摂食実験
・湖周辺の地形・地質の観察
・観光バスで霞ヶ浦周遊

・茨城県水産試験場内水面支場の見学
・霞ヶ浦環境科学センターの見学
・まとめのグループディスカッション

  
 実習生には、このような多岐に渡るメニューについて個々の視点で学んでもらいました。最終日に、湖沼環境問題について、参加者が興味のあるいくつかのグループ(外来魚問題、水質改善策、水辺植物帯の保全・再生、教育活動)に分かれ、グループディスカッションをしたあとに、参加者全員で自由に意見交換をしました。

 意見交換会は大いに盛り上がり、センタースタッフ&TA学生もとても有意義な時間を過ごさせていただきました。同じような興味を持った他大学の学生たちが交流できる大変貴重な機会にもなりました。 

実習生のみなさん、5日間、本当におつかれさまでした。また、いつでもセンターにいらしてください。自由な発想で学びたいみなさんのために、水圏センターの扉はいつでも開いています。
(センタースタッフ&TA学生一同)

釣獲されたチャネルキャットフィッシュ:モノサシは約20cm
投網での採集

地曳網での仔稚魚採集

定置網での採集
採集された魚類のリスト
霞ケ浦環境科学センター見学
水産試験場内水面支場の見学
集合写真

2018年8月19日日曜日

公開実習2「追跡!巨大ナマズ ―湖沼の外来生物問題の最前線―」



水圏センター(潮来市大生)は、全国の大学生たちが湖の環境問題について総合的に学べる施設として、文部科学省に認定されている国内唯一の臨湖実験所です。夏休み中には、霞ヶ浦・北浦をフィールドに学ぶ5つの公開実習を提供しています。

8月17~19日の公開臨湖実習「追跡!巨大ナマズ ―湖沼の外来生物問題の最前線―」には、北海道大、岩手大、東北大、東洋大、帝京科学大、山梨大、近畿大、三重大の12名が参加しました。この実習の教材は、北浦にたくさん生息している、北アメリカ原産の外来ナマズ(チャネルキャットフィッシュ)です。

まず、捕獲調査や食性調査を通して外来ナマズの脅威を体感! 次いで、湖岸でさまざまな方法で魚類調査を行い、希少な魚たちやワカサギ・シラウオ・エビ類などの水産資源が、まだそれなりに生息していることを確認しました。

最後に、二つの班に分かれて考案した駆除方法を試して、班別対抗で駆除数を競い合いました。外来ナマズは多数捕獲され、対策についての議論も大いに盛り上がりました。

参加学生からは、「興味の方向性が同じ学生たちと交流できたのがとても良かった」、「北浦には絶滅危惧種を含む在来魚がまだ残っていてうらやましい」、「外来ナマズの問題を一般の人たちに知ってもらい、解決を目指すことが大切」、「市民の方々と釣り大会を開催し、地域を盛り立てていけばよいのでは」など、様々な感想がありました。

今年も、湖の環境問題や地域のことを考える良い機会となりました。参加してくださった方々、お手伝いしてくれたTAのみなさま、どうもありがとうございました。
駆除釣り体験

釣れたチャネルキャットフィッシュ

湖岸での魚類調査
湖岸での定置網
投網講習中


みなで投網を投げているところ


ハクレンの漂着個体(1.2mの大型個体)
湖岸調査で採集された魚類(メモ)

集合写真