2013年8月30日金曜日

明石高専と岐阜大学の実習

8月26日~30日の5日間、明石工業高等専門学校の学生がインターンシップ実習の一環で来所されました。水圏センターの教員&TA学生とともに、次のようなかたちで、研究室の日常を体験していただきました。

1日目:

  午前~夕方:地形・地質に関する実習
    ・常陸川水門の視察
    ・波崎海岸(神栖市)で堆積物の観察
    ・鹿島港のみなと公園で3.11大震災の津波被害の視察
    ・潮来市日の出地区の住宅街で液状化被害の視察
  夜:外来魚チャネルキャットフィッシュの駆除釣り

2日目:西浦・北浦の湖岸で魚類調査

3日目:水圏センターの調査船で、北浦の湖心部の環境要因調査・生物調査。
  (環境データ解析、クロロフィル量の測定、ユスリカ幼虫の同定・計数など)
4日目:
   ・霞ケ浦環境科学センターの見学
   ・農学部の研究施設で放射線物質計測の見学
      ・西浦の自然植生帯の見学
      ・特定外来生物カワヒバリガイの生息地視察
      ・北浦の動物プランクトンの採集と同定

5日目: 実習成果のとりまとめ&プレゼンの準備

*5日間、本当におつかれさまでした。明石高専のみなさま、また、いつでもいらしてください(センタースタッフ)


*明石高専実習が行われていた8月26日~28日には、岐阜大学のM先生・学生と矢作川研究所の研究員1名も来所されていました。予期せず、合同実習のようなかたちで、霞ヶ浦で魚類の採集調査などの実習を行いました。岐阜大学のM先生からは、逆にこちらのスタッフ&学生がさまざまなことを教えてもらいました。とても有意義な情報交換もできました。またの来セをお待ちしております。(センタースタッフ&TA学生一同)
 
地曳網で実験用のワカサギを捕獲中


投網体験!
中国原産オオタナゴ


夜に釣れたチャネルキャットフィッシュ



チャネルキャットフィッシュの解剖 (胃からはハゼ類とエビが出てきた!)



地元食材で懇親会を!

 







2013年8月23日金曜日

公開臨湖実習「追跡!巨大ナマズ~霞ヶ浦で徹底調査~」が大盛況!

 8月19日~23日の5日間、全国の学生を対象にした公開臨湖実習「湖沼環境問題の最前線~霞ヶ浦での調査・実験から理解する~」が、水圏センターで行われました。キャッチフレーズは、「追跡!巨大ナマズ~霞ヶ浦で徹底調査!」です。 

 巨大ナマズ(=外来魚チャネルキャットフィッシュ)や最新の湖沼環境問題などに興味のある、12大学(北海道大、北海道教育大、帯広畜産大、酪農学園大、いわき明星大、茨城大、埼玉大、千葉大、東京農工大、東洋大、立教大、長崎大)の学生(学部1年生~博士後期課程3年生)19人が参加してくださいました。終始、大盛況!でした。今回の実習メニューは次のようなものでした。

<実習メニュー>
 首都圏に位置しさまざまな湖沼環境問題に直面している霞ヶ浦を調査フィールドに、環境調査や水生生物調査を行い、湖沼の環境と生物科学の研究手法を身につける。水質悪化や外来生物の侵入などの湖沼環境問題についても学ぶ。

・船上での湖沼環境調査、実験室内での水質分析 ・プランクトン・底生動物の採集と観察・同定
・魚類の各種漁具(手網、投網、定置網、地曳網)での採集と観察・同定・胃内容物解析
・特定外来生物チャネルキャットフィッシュの釣獲調査
 (実習期間中はナマズ駆除釣りトーナメント)
・カワヒバリガイ(外来種)とドブガイ(在来種)を用いた濾過摂食実験
・湖周辺の地形・地質の観察
・観光バスで霞ヶ浦周遊
・霞ヶ浦環境科学センターの見学
・まとめのディスカッション
 実習生には、このような多岐に渡るメニューについて個々の視点で学んでもらいました。最終日に、湖沼環境問題について参加者全員で自由に意見交換をしたところ、興味深い感想や考察がいくつも出てきて、センタースタッフ&TA学生もとても良い刺激をもらいました。同じような興味を持った他大学の学生たちが交流できる大変貴重な機会にもなりました。 

実習生のみなさん、5日間、本当におつかれさまでした。また、いつでもセンターにいらしてください。(センタースタッフ&TA学生)
 
夕方のナマズ駆除釣り大会

駆除されたナマズ(期間中で30尾!)

船上での湖沼観測

ベントスのソーティング

地曳網をひいているところ ワカサギ・シラウオが採れました!

投網体験中

魚類を同定中

懇親会 BBQ

巨大ナマズ!と記念撮影
 

2013年8月9日金曜日

常葉大学の地学実習


8月7日〜9日の3日間,常葉大学の皆さんが地学実習の一環としていらっしゃいました.


今回は皆さん教育学部に所属する未来の先生ということで,将来授業でつかえるような実験道具や地層標本の作り方などをメインに行いました.
実習のメニューは次のとおりです.

【1日目】
 ・粒度表の作成
 ・クリノメーターを用いた走向傾斜の測定法
 ・霞ヶ浦西浦の巡検
【2日目】
 ・センター周辺の露頭での地層観察と簡易はぎ取り標本作成
 ・ペットボトルなどで簡単にできる地学実験道具の作成
 ・水路実験による地層形成の観察 
【3日目】
 ・地形図を用いた作業

3日間お疲れ様でした.またの来セをお待ちしております.(山)


夕暮れの西浦


露頭での地層観察

簡単にできる地層のはぎ取り標本を作成しました


川の流れの実験を試行錯誤



2013年8月7日水曜日

東京大学の先生が研究で来所

2013年8月5日~7日に、東京大学の海津先生が北浦でのロボットボート試運転のために来所されました。無事、試験が終了されたと伺い、安心いたしました。またのご来所をお待ちしております。(センタースタッフ)

2013年8月6日火曜日

涸沼の塩性湿地で魚類学の実習

2013年8月6日 涸沼の塩性湿地で魚類学の実習(大学院生向け)を実施しました。前日に仕掛けた定置網15個を引き上げて、どのような生きものが塩生湿地を利用しているかを調べました。途中、豪雨に見舞われてしまいましたが、ウナギが複数個体採集されたり、淡水魚、両側回遊魚、降河回遊魚、汽水魚、海水魚を含む多様な魚類、エビ・カニ類が大量に採集され、塩性湿地というハビタットの生物相の豊かさを肌で感じてもらえました。参加してくれた学生のみなさん、どうもありがとうございました(加)。
ニホンウナギ体長約60cm

外来魚カムルチーも!


2013年8月4日日曜日

チリメンモンスターを探せ その2

2013年8月4日(日)に、千葉県市川市行徳野鳥観察舎で、夏休みの子供向けイベント「チリメンモンスターを探せ!」を開催しました。昨年に続き2回目です。講師は私(水圏センター)とN山さん(東邦大)です。参加者は小学生3名、大人10名と少なめでしたが、人数が少ない分、より深い内容の観察会になりました。
 
スーパーで販売されているシラス干し(ちりめんじゃこ)をよく見ると、エビやカニ、イカの幼生、仔稚魚などのいろんな生きもの(=チリメンモンスター)が混じっています。今回は、観察舎のNさん・Sさんに準備してもらった和歌山のシラス干し業者さんの材料(混じり物が多いもの)を使って、モンスター探しをしました。

モンスター探しを開始すると、子供も大人も1時間ずっと熱中し続け、25種類以上のモンスターが見つかりました。今回見つかったのは、カニのゾエア幼生やメガロパ幼生、シャコのアリマ幼生、イカやタコの幼生、ゴカイの仲間、毛顎動物の仲間、さまざまな魚種の仔稚魚(サバの仲間、アジの仲間、カサゴ、イカナゴ、タチウオ、マダイ、アイゴの仲間、ナベカ、ギンカガミ、エソの仲間、ヒラメ、ヨウジウオ、タツノオトシゴ、アミメハギ、フグの仲間など)です。最後に、見つかったモンスターたちの専門的な見分け方を概説するとともに、それぞれの親(=成体、成魚)の生態や食材利用についても説明しました。
 
イベントを企画してくれた観察舎のみなさま、参加してくれたみなさま、ありがとうございました。また来年も行う予定です(加)
今回のチリモンたち 右上はタツノオトシゴ!

チリモンを探しているところ
 

2013年8月1日木曜日

茨城県高校生物教員の臨湖実習

  2013年7月30日~8月1日に、茨城県高等学校教育研究会生物部の夏季研究大会が開催されました。この大会の一環として、県内の高校(波崎柳川高、竹園高、常陸大宮高、鹿島灘高、太田一高、筑波高、水戸桜ノ牧高、石岡一高、茨城東高、水戸三高、那珂湊高、多賀高、茎崎高、三和高)で生物を教えている先生方14名が水圏センターに来所され、臨湖実習に参加されました。  

  先生方は大変熱心で、センタースタッフ&お手伝いの学生たちは、終始圧倒されながら、楽しく過ごせました(こちらの方が勉強になりました)。またのお越しをお待ちしております。


    なお、今回のメニューは、次の通りでした。暑い日々が続き、熱中症がこわいために、1日目は茨城県産地魚の解剖という新たなメニューも行いました。  
 

■テーマ 霞ヶ浦の生物と地魚の解剖

 ■概要  
  霞ヶ浦を構成する湖の一つである北浦を調査フィールドに、湖沼の生物の観察と調査方法を学ぶ。また、茨城県産の地魚(アジ、サバなど)を用いた魚類の解剖も学ぶ。野外と実験室内での実習で盛り沢山な内容。

実習内容

・1日目

7月30日(火) 13:30~16:30

茨城県産の地魚(アジ・サバなど)を用いた魚類学実験

最も身近な動物の一つである「魚類」について、系統分類学的な位置、体の構造や機能、生態学的な特性などを、他の動物との違いから説明しました。さらに、茨城県産の地魚(アジ、サバなど)を観察・解剖し、魚類の外部・内部形態とそれらの機能特性について深いところまで理解していただきました。

地魚(アジ、サバなど)を解剖中
・2日目

731日(水) 8:30~16:30

霞ヶ浦の生物調査―①魚類

霞ヶ浦を構成する湖の一つである北浦を調査フィールドに、魚類調査を中心に実習を行いました。午前中にヨシ帯と護岸帯での地曳網、投網、定置網、手網、釣り具などを用いた魚類の採集をおこない、午後に室内作業として魚類の観察・同定・計数・食性解析を実施しました。


ヨシ帯での魚類採集

釣り、投網などでの調査

30分ほどの釣りで外来ナマズがたくさん!

収穫物を調理!
・3日目

8月1日(木) 8:30~11:30

霞ヶ浦の生物調査―②水質、プランクトン、ベントス

2日目の霞ヶ浦の生物調査のつづきです。茨城大学の船を使って北浦に出かけ、船上実習として水温、透明度、溶存酸素量等の測定、プランクトンやベントスの採集などを行いました。採集した水等は持ち帰り、水質分析、クロロフィル測定のための濾過、ベントスソーティング、プランクトンの顕微鏡観察などを実施しました。